ほうせんご映画感想備忘録

ほうせんご/青野圭太が見た映画のタイトルと感想をメモります。全方面にネタバレ有。

『きみと、波にのれたら』

リア充死ね………

という、不愉快さでいっぱいの作品なのですが(完璧見る側に問題がある)

クソバカップルの恋愛劇、で終わらない良さがあった。

ノットフォーミーなんだけど、それだけで終わらない着心地悪い中にも一応席は用意されてるような印象を受けた。

サーファー陽キャ女と、無骨イケメンかと思いきや普通に陽キャ男の恋愛。だけど彼氏が死ぬ。

この彼氏が死ぬ理由とかも、物語の核としてある「人助け」から離れない。

サーファーと消防という、一見無関係そうなものが水を通じて繋がるなど、なかなか面白いストーリーでした。

 


DQNの花火でアパートが燃えた主人公。を助けたのが彼氏となる港くん。

デートを重ね、恋人になる。ラブラブクリスマス。

しかし、1人でサーフィンに出かけた彼氏は、溺れた人を助けるため、自分が溺れて死んでしまう。

彼女が水の前で思い出の歌を口ずさむと、なぜか水の中に彼氏が現れるように!

ドン引きの周囲。主人公は彼氏から自立できるのか?DQN死すべし!みたいな話。

 


彼氏の遺志を彼女が継ぐのが心地よい。

さいごの、彼氏からのメッセージを聞いて泣き崩れる彼女のシーンはさすがに胸が痛んで泣いてしまった。途中、泣き虫でごめんね……って彼氏の死後に彼女が泣くシーンはいっぱいあるんだけど、このタワー前の涙は明確に意味合いやシリアス度が違って良い。

いい意味でも悪い意味でも登場人物たちがしたたか。

 


テーマとエピソードがしっかりしてるなーと思った。

し、特別映像が綺麗とかじゃないんだけど、最後の廃ビルから夜景を見て落下、とか

印象的なシーンがあり、なかなか良かった。

 


予算は低めっぽい画面ですが、キラキラカップルものだと食わず嫌いせず、イライラを覚悟しつつも見て損はないアニメ映画かな、と思った。彼氏が成仏しかかるところ、草。